こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。 前回はロボットが外科医の手術を支援するというかなり「ハイテク」な話をしましたが、今回は逆にほとんど医療機器のない飛行機の中で急病人の治療をした「ローテク」な話をいたしましょう。 あれはもう7~8年前のこと。私はヨーロッパで行われる国際学会に参加するため、成田空港からオーストリアへ向かう飛行機に乗っておりました。フライトは9時間ほどあったため、ビールやワインなどを飲みながら本を読んだり映画を見たりして過ごしていました。 座席の目の前にはモニターがあり、今自分が乗っている機体が航路のどのあたりを航行しているのかが示されておりました。ロシアの上空のちょうど真ん中あたりだったでしょうか。それにしても大きな国だな、それなのに医療がかなり遅れていると聞くが実際はどうなんだろうな、なんてことを考えながらぼんやりとモニターを眺めておりました。すると、ポーン