Lesson451 幸せな人も傷ついている 先日、ずっと仕事を続けてきてよかった、 と思うことがあった。 白い夏のセーラー服を着た1100人の女子高生、 その前で、私は、 「読む歓び、書く歓び」について講演をした。 それはまるで奇跡のように、 1100人の多感な10代と響き合い、通じ合い、 ひとつになれた瞬間だった。 通じた! という手ごたえが、ひしひしとあった。 高校生が次の授業に遅れることさえかまわず、 出口で待ってくれていて、 「ことばにできないけれど、ものすごい感動しました」 と伝えてくれた。 高校生のことは、 小論文の編集者時代から、 ずっとずっと4半世紀にわたって、 想いに想い、考えに考えてきた。 人はなぜものを読まなければならないのか? 人はなぜ書かねばならないか? それも、私がずっとライフワークとして 教育において取り組んできたテーマだ。 予期せぬ運命で、 編集者を辞めざる