『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは自らを饒舌に語るのか』(青土社)、『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)などの著作で「性を商品化する」女性たちの内面を活写し注目されている文筆家の鈴木涼美が「おじさん」をテーマに綴るエッセイ連載第8回。今回は著者が新聞記者時代のお話。 【第8回 華のOL、さて誰と寝る? 前編・社内評価はベッドの上で】 私にも会社員時代というものがあって、ええそれまで大学だとかキャバクラだとか大学院だとかAV業界だとか、わりかし社会の周縁のふわぁっとしたものの中にいたオンナとしては、入社式なんてほんとに、「あ、これで私も鉄の檻の中に勇んで入っていくのね」と、CLASSYと社章をFURLAのシンプルなバッグに詰め込んで足取り極めて重く、押切もえとかエビちゃんとかが着てみせる、モテOLの一週間着回し技なんていう画像がアタマの中をぐるぐると呪文のよ