大阪刑務所の受刑者5人に肥満や高血圧の治療・改善のためかゆを食べることを強制したのは人権侵害として、大阪弁護士会は14日、大阪刑務所長に対して「かゆの提供は、治療上高度の緊急性が認められる場合を除き、受刑者の同意を得て実施するべきだ」と勧告した。受刑者が個別に人権救済を申し立てていた。 勧告書によると、受刑者らは平成17〜19年の約3カ月〜約1年4カ月の間、肥満や高血圧の治療として通常の米飯ではなくかゆを強制された。いずれも刑務所の医師が指示したという。 同会は「生命の危険や感染のおそれがない場合は、受刑者の医療措置に関する自己決定権が法で保障されている。受刑者は肥満だったが、生命の危険があったとは認められない」と指摘。かゆの強制までに本人の意思ですでに10キロ以上減量していた受刑者については「そもそも医療措置としての合理性も疑われる」と非難している。 同会人権救済調査室長の江村智禎弁護士