日本経済の衰退は日本の港の陥没と重ね合わせるのが至当だろう。国内総生産(GDP)は今年四十余年ぶりに3位に陥落しそうだ。68年にドイツ(当時西ドイツ)を抜いたのだが、今年中国にその座を譲るのは確実だ。いずれ韓国にも抜かれるだろうという豪州紙の論評を読んだ時その可能性は十分あると感じた。 日本の港の衰微は15年前に始まった。世界コンテナ港湾10位以内だった神戸港は昨年は40位以下に劇的に陥落した事実が証明している。複式簿記の重要性を指摘した文豪ゲーテが言うように言葉ではなく数字のみが真実を伝えるのだ。 長い間国際経済を見てきた記者として言うなら、まずリアルな日本を直視することである。小泉改革をしのぐ「新構造改革」に取り組む覚悟がなければ日本の再生とか国際競争力などという言葉を発することは俗論向けの自慰行為でしかないことが分かる。 この国はバブル崩壊の後処理に没頭するあまりグローバル化に完全に