【ワシントン=佐々木類】東シナ海の日本固有の領土、沖縄・尖閣諸島近海で起きた中国漁船衝突事件について、米政府は事件は偶発的なものではなく、中国政府黙認の下で起きた「組織的な事件」との見方を強め、中国の動向を警戒している。尖閣諸島は日本の施政下にあり、日米安全保障条約の適用対象との明確な見解をとり、「有事」の際は米軍が対処することを示唆して、強気の姿勢を崩さない中国を牽制(けんせい)している。 米政府の認識と立場は、クローリー国務次官補(広報担当)によって端的に表明された。同氏は8月16日の記者会見で(1)尖閣諸島は日本の施政下にある(2)日米安保条約5条は、日本の施政下にある領域に適用される−との見解を表明。そのうえで「条約が尖閣諸島に適用されるかと問われれば、そうだ」と明言した。 今月14日の記者会見でも、衝突事件に関し「対話による平和的解決を求める」と述べると同時に、「日米同盟はアジア