地域の文化遺産である歴史的建造物の保全活用に関する専門家が、「ヘリテージマネージャー」だ。建築士会の養成講座を計60時間受講する。 群馬県内には、彩色や彫刻をほどこすなど装飾が特徴的な近世の寺院、神社建築が数多く残る。県は文化財的重要性が高いものを調査しており、栗原さんはヘリテージマネージャーの調査責任者として携わっている。 2003年に発足した「いせさき街並み研究会」の代表として、地域に残る古い建物の歴史的価値を市民に伝えてきた。 「わたしたちの身の回りに普通にあり、ともに生活の歴史を刻んできた古い建物は、『地域文化財』。先人が必死に取り組んできた町づくりや、その土地の歴史が埋め込まれている」 市民と専門家の協働を心がけている。建築物がもつ価値を専門家が伝え、市民が主体となってまちづくりにいかす。次世代に誇りを持って「ふるさと」を引き継ぐことをめざす。 きっかけとなったのが約20年前、江