2・30 市場正門。次々到着するトラックに向け、千葉県佐倉市の看護師、西野繁敏さん(42)がカメラのシャッターを切る。派手な装飾の「デコトラ(デコレーショントラック)」の愛好家。「全国からトラックが集まる築地は『聖地』。友達になった運転手の最後の雄姿をとらえて、記念に贈ります」 4・15 飲食店街「魚がし横丁」。トンカツ店「小田保(おだやす)」の10メートルを超える行列に香港から来たブレンドル・チュングさん(24)と韓国から訪れたコン・ジヨンさん(24)の女性2人組が並ぶ。「築地の閉場は海外でも知られている。すしも食べたい」 7・30 日本で初めてメロンを扱ったという1910(明治43)年創業の青果問屋「定松」。青果仲卸売場で、目利き35年の牧正裕さん(59)がメロンを指ではじき、音で熟度を見定める。「忙しくってきょうで終わる実感が湧かない」。だが話しているうちに「自分を育ててくれたのが築