カイロのタハリール広場で一緒に金曜礼拝を行う反大統領派市民とエジプト軍兵士ら=2011年2月10日、AP 【カイロ伊藤智永】エジプトのムバラク大統領(82)は11日、家族とともに首都カイロの大統領宮殿を離れ、同国東部の保養地シャルムエルシェイクに空路で到着した模様だ。AFP通信など複数のメディアが伝えた。ムバラク氏はこれに先立ち10日深夜(日本時間11日早朝)に国営テレビで演説し、9月の次期大統領選まで大統領職にとどまりつつ、スレイマン副大統領に大統領権限を移譲する考えを示していた。スレイマン氏に権力移行の実務を任せ、自身は国政の第一線から事実上退くものとみられる。 ムバラク氏は10日夜の演説で、政権内にも広がっていた即時退陣論を拒否し、9月の次期大統領選で平和的な権力移行を実現するまで大統領職にとどまると表明。次期大統領選への不出馬を確認した上で、「外国の圧力には屈しない」と即時退陣論を