人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の巨核球(血小板を作る細胞)から、輸血に必要な量(1000億個以上)の質の高い血小板を作ることに成功したと、京都大iPS細胞研究所(CiRA)などのチームが発表した。従来あったiPS細胞由来の血小板は量も品質も輸血に使えるレベルではなかった。チームは血流の乱れ(乱流)が巨核球からの血小板生成を促していることを突き止め、乱流を発生する培養器を開発し、高品質の血小板を短期間で大量に作製できたとしている。成果は13日、米科学誌「セル」電子版に掲載される。 血小板は止血の働きがあり、血友病の治療や手術などに使われる。献血でまかなわれるが、感染症のリスクや保存期間の問題もあり、無菌状態で製造できるiPS細胞由来の血小板が期待されている。