中国の都市部でスマホアプリと決済システム、GPSを結合した「どこでも乗れて、路上で乗り捨て自由」なハイテク共有自転車が爆発的に広がっている。順調に成長すれば、個人所有の自転車は事実上、消滅するとの見方もあるほどだ。世界初のユニークなシステムが中国で誕生し、普及したのはなぜか。その根底を考えてみたい。 10万台の自転車を市内にバラまく このシステムについて最初に説明しておきたいのが、世界各地の都市や観光地などで導入されている既存の「レンタル自転車」との違いだ。 固定の駐輪ステーションから自転車を借り出し、使用後にどこかのステーションに返却するタイプの「自動管理型レンタル自転車」は、東京をはじめ世界各地に存在する。中国でも多数の都市で数年前から運用されている。これはこれで便利ではあるが、この仕組みの弱点は、出発点と終点は固定されているため、結局はどこかのステーションに行かざるを得ず、往復に一定