この二日間の話をどこから書き始めたらいいか迷っている。 つくづく、今手伝っているクリニックへ行って良かったと思う。ここには今の日本を最も極端に象徴する患者が集まってきている。 ここは典型的な日本の地方都市、政令指定都市の一番の外れにある場所、すなわち田舎である。ここで今生じている事が、今の日本社会が持つ最も重い病理が表現されている場所だという事を、いまから書こうと思う。 「私が人生に退屈を感じないように、生きている感覚を取り戻せるように、一緒に探してくれる?」 その町は、造船業が産業に中心で、過去の製造業が日本経済の主幹をなしていた頃は、活気にあふれた町であった。町は造船業を中心に経済が形成され、住民は殆どがその関連企業、もしくはその下請けで政経を立てていた。都市部とは一本の国道で結ばれてはいるが、その町の入り口は峠によってある種隔絶されており、峠を越えるとその先に港町が姿を表す。峠の手前
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