民放の誕生とともに生まれた「鬼十則」が姿を消す──。 電通は9日、第4代社長の故・吉田秀雄氏が策定した「鬼十則」について、2017年版から社員手帳などへの掲載・掲出を取りやめると発表した。2015年末に新入社員が過労自殺した件を受けて発足した、電通労働環境改革本部が決めた。同本部では、電通からの発注業務で、制作会社に深夜作業や長時間労働が発生しないよう、新たな発注ルールや工程管理方法を策定するための協議にも入っている。 「鬼十則」は、1951年8月、電通の創業51周年を機に、吉田社長(当時)が執筆した。いわゆる社員心得だが、役員や社員に朝礼などで復唱させるなどの強制はなかったという。後に「Dentsu’s 10 Working Guideline」として英訳され、訪日したGEの社長にも贈られた。 執筆当時は、吉田社長による終戦から6年越しの折衝が結実し、初の民間ラジオ放送開局を目前としたタ
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