あの日向まさみちが小説家として復活、という報を受け、正直驚いた。 『本格推理委員会』(角川文庫)で第1回ボイルドエッグズ新人賞を受賞してデビュー、という出発点には読者としてお付き合いしたものの、その後はさっぱりご無沙汰していたからだ。新刊『ロンリー・コンバット!』の巻末にある来歴を見ると、『本格推理委員会』上梓当時は京都府立大学文学部に在籍していた、とある。学生だったのか。来歴をもっと読むと、その後大学を中退して塾講師となり、さらに職を辞した後同志社大学商学部に入学したとのことである。いろいろあったのだなあ、と思う。その間著作は1冊もなく、『ロンリー・コンバット!』が7年ぶりの書き下ろしだ。いろいろあったのだなあ。 前作は、申し訳ないのだが肌に合わなかった。書評はやっていないが、『このミステリーがすごい! 2005年版』(宝島社)で藤田香織氏と対談をしたときに採り上げ、構成を批判した記憶が
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