確率や統計の文献のなかで稀に $$ a = \int f(x) dg(x) $$ のような形($dg(x)$の部分に注目)の積分が使われていて「???」となった方もいるかもしれません。$dg(x)$ではなく$dx$であれば、これは高校で習った積分 $$ a = \int f(x) dx $$ になりお馴染みの形になりますが、$dg(x)$とは見慣れない形です。 実はこの積分は、リーマン=スティルチェス積分(Riemann Stieltjes integral)と呼ばれ、リーマン積分(高校で習った積分の正式名)を拡張したものです*1。 この記事では、リーマン=スティルチェス積分の定義と確率学への応用について簡単に紹介します。なお、数学的な厳密性については無視しています。 リーマン=スティルチェス積分の定義 高校で習った積分の定義を少し一般化するとリーマン=スティルチェス積分の定義になります。