夏の全国高校野球に初出場を果たし、富山商業との延長12回の接戦を制した佐賀の鳥栖工業。チームの甲子園初勝利を呼び込んだのは「互いの良さが引き出せる」という兄弟バッテリーでした。 (甲子園取材班 記者 並松康弘) 鳥栖工業のキャッチャーで、4番を打つ3年生の、松延晶音選手とリリーフでマウンドに上がった1年生の響投手は2つ年の離れた兄弟です。 高校からキャッチャーに転向した兄とバッテリーを組みたいと、響投手はこの春、鳥栖工業に入学し、2人がバッテリーを組むことのできる最初で最後の夏に甲子園出場を果たしました。 富山商業との9日の初戦、1対1の同点の6回に2人目としてマウンドに上がった響投手は「ゴリゴリに緊張していた」と最初のバッターにフォアボールを出しました。 すると、すかさずタイムを取ってマウンドにかけよってきた兄から「ストレートで押していく自分のピッチングするだけだ。腕を振ってこい」と声を