監獄に拘置して所定の作業を科す刑罰のことを指す、自由刑の一種である。世界的にみても、米国や英国などの先進国で刑務作業は科されておらず、アジア域内で実施されているのは韓国と中国ぐらいと、実は珍しい。 その刑務作業を通じて、「自分は社会の役に立っている」という自己肯定感を芽生えさせるのが目的の1つである。 とはいえ一筋縄ではいかない。 法務省の犯罪白書によると、出所した受刑者の38.6%が5年以内に再入所しており、そのうち5割が2年以内に再入所している。担当事務官が内情を説明する。 「統計的には再犯者の7割が、逮捕時に無職でした。勤労意欲が低く、そもそも仕事をしていない人が多い傾向があります」 働くことに対する認識や価値観をあらためるのが「更生」の一つだとすれば、塀の中を経験した者からは、こんな現実的な声も聞こえてくる。 「刑務所でボールペンやシャーペンの組み立て、シャボン玉の泡を容器に詰める