関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を巡り、政府と原発の電力消費地の首長による舌戦が続いている。 両者の対立は、大阪市の橋下徹市長が電力需給逼迫(ひっぱく)時に限り再稼働させる案を示したのに対し、藤村官房長官が拒否したことがきっかけ。藤村氏は反対理由として、電力需給のほか、原発に代わる火力発電の燃料費増による国民所得流出を挙げた。 橋下氏は22日、大阪市内で記者団に「関西の声を藤村長官が一蹴して『臨時(再稼働)はあり得ない』と言った。国富の海外流出なんて話をしたら、今までの議論が飛ぶ」と名指しで批判した。これに対し、藤村氏は同日の記者会見で、政府が昨年7月から安全性を踏まえて再稼働手続きを進めてきたことを強調し、「今日までの政府の検討をすっ飛ばし、『今こう言ったからこうだ』と単純に言ってもらっては困る」と不快感をにじませた。