先日は、ロゴフが日銀の失敗を踏まえないで「インフレを起せ」という愚かな主張をしていることを紹介したが、今度はクルーグマンがナンセンスな話をしている。AFPによれば、彼はスウェーデン銀行賞の受賞会見で、こう語ったそうだ:日本に感謝する必要があると考える。経済危機が起こりうるという現実と、その際にどういった政策が効果的で、何が効果的でないかを示してくれたからだ。 90年代の日本の経験とは、政府の財政出動が、根本的な解決にはならないまでも経済にかかる圧力をかなり軽減したということだ。彼が何を根拠に「日本の経験」を語っているのかしらないが、実証研究によれば「公共事業を中心とする巨額の財政出動は、建設業など非効率な業種への人口移動を起して日本の労働生産性を低下させた」というのが定型的事実である(他にも同様の研究が多い)。バラマキ政策は日本経済の問題を「軽減」するどころか致命的に重くし、「根本的な解決