欧州連合(EU)が率いねばならないこうした努力がなければ、ギリシャは政治的な急進主義、経済的惨状、組織犯罪、制御不能な移住に一段と深く飲み込まれていく。 バルカン半島のボスニア・ヘルツェゴビナから東地中海沿岸部のシリアまで弧を描くように連なる国々を特徴付けている全面的な戦争に巻き込まれる恐れさえある。 今日、ギリシャのデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱に至りかけている事態の責任の所在を明らかにすることには意味がない。ユーロ圏内のギリシャのパートナー諸国――今となっては「パートナー」という言葉は適切なのか分からないが――がもう我慢の限界だと述べたからと言って、時計の針は止まらない。 欠かすことのできない「プランC」 ギリシャは欧州の南東部に位置しており、欧州南東部の安定は、EUと北大西洋条約機構(NATO)にとって最も重要性の高い問題だ。 もしプランAが、問題を先送りし、ギリシャをユーロ