人手不足が深刻化する中、人材獲得競争が激化するのは必至だ。価値創造の源泉である人材の能力を生かせない企業の向かう先は衰退しかない。会社への貢献意欲が低く、必要最低限の業務だけをこなす「静かな退職」が、若者からシニアまで貴重な戦力を奪うリスクもちらつく。優秀な人材を引き付ける「選ばれる」企業になるためには、人材戦略や施策の改革を加速させなければならない。採用、配置、育成、評価、報酬制度の見直しから企業文化の醸成まで、社員が働きがいや成長を実感できる環境を整え、挑戦を促しながらパフォーマンスを引き出すことが肝要だ。真の人的資本経営に欠かせない要素は何か、6社の事例と調査データから解き明かす。 <特集全体の目次> ・人材生かし切れず制度改革が急務 データで見る人的資本経営の現在地 ・サイボウズ・エーザイは社員エンゲージメント強化へ人事制度を強化 ・花王・メルカリは挑戦を後押し 失敗からも学ぶ文化