高級食材店に入荷次第の取り置きを頼んでおかなければ手に入らない――。一流のシェフやパティシエがこぞって絶讃――。ここ数年、小売りの店頭で見かけることはほとんどなく、文字通り幻と化していたカルピスバター。ところが、2015年12月上旬になって、突然店頭に姿を現した。 当時、都内のあるショップの店舗スタッフは「本部が購入して各店舗に割り当てている。久々に入荷したが、ここに出したものが手持ち在庫のすべて。バックヤードに在庫はない。次いつ入荷するかはわからない」と言っていた。しかし5カ月近く経過した今も、高級食材店の店頭には十分な量の商品が置かれている。 一昨年から昨年にかけてバター不足が社会問題化した結果、その原因をメディアが取り上げるようになった。今年3月には、酪農行政に携わった経験を持つ、元農水官僚・山下一仁氏が『バターが買えない不都合な真実』を上梓し、謎解きをしてみせた。その中で、バターは
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