人は現在の行動とかかわりなく、いろいろなことを考えている。気分の乗らない作業をしている場合などには、過去の面白い出来事を思い出してみたり、お昼に何を食べようかと考えてみたり、起こるはずもないような出来事を想像したりして、なんとか乗り切ろうとする。ところが、ハーバード大学のマシューキリングワース氏が米科学誌サイエンスに発表した論文によると、妄想で気を紛らすことは心の幸福度を低下させるかもしれない(サイエンス電子版の記事、Bloomberg日本版の記事)。 現在の行動と心の関係は、心理学的に興味深いテーマとしてこれまでにも調査されてきたが、キリングワース氏の調査では、多くの人が既に所有しているiPhoneを使用することで、多くの被験者からデータを収集することに成功した。被験者のうち2250人の成人についてみると、現在の行動と関係ないことを考えている時間が全体の47%を占めていた。この間の幸福度