6月に三島市内の住宅地で目撃された野生のサル。このサルは捕まっておらず、三島市役所は8月から人を襲っている猿と同一の可能性もあるとみている(三島市役所提供) 静岡県内の住宅地に野生のサルが出没し、住民にかみつくなど暴れ回っている。高齢者ら弱者を襲い、負傷者は60人を超えた。行政側は麻酔の吹き矢などを投入して捕獲を試みるが、サルはあざ笑うかのように逃走を続ける。東京都内でもサルが出没して騒動になったが、けが人は出なかった。なぜ静岡のサルは凶暴なのか。「農業の鳥獣対策で山に追われた経験から攻撃的に」「猛暑でイライラ」−。専門家は、さまざまな分析をしている。(静岡支局 玉嵜栄次)返り討ち恐れる? 静岡県三島市沢地の山間部に位置する閑静な住宅地。自営業、落合千津子さん(60)は8月23日午後2時半過ぎ、いつものように庭先で洗濯物を干しているとき、げたを履いていた左足首を背後からギュッと握られた。