「外事一課を舐めるな!」目の前に現れた3冊の警察手帳…「何も知らずに脳天気だったのは私だけでした」~総理官邸に迫るロシアスパイ、だまされた内調職員が手口を暴露【第4回】 ■GRUスパイは帰国していた 水谷は取り調べの最中に、ベラノフがGRUロシア軍参謀本部情報総局の諜報員で、3日前に帰国していたことを知らされ、愕然とする。危機を察して、任期前に緊急帰国してしまったのだ。水谷に何も知らせることなく。 水谷は、収賄や国家公務員法違反で書類送検され、起訴はされなかったものの、懲戒免職となった。懲戒免職処分の説明書にはこう書かれている。 <被処分者は数年前から現在に至るまで、外国政府機関職員と不適切な交際を続け、明らかになっただけでも8回にわたり、計82万円を収受するとともに、飲食の費用を相手方に払わせていた。(中略)公務員倫理に違反するとともに、刑法上の収賄罪を構成する疑いがあり、上司の職務上の