白頭山は朝鮮と中国東北部との国境に位置し、頂上には青い水を満々とたたえた天池(チョンジ)という美しいカルデラ湖を持つ。この山は、玄武岩の溶岩台地の上にそびえたつ成層火山で、中国名では長白山という。その最高峰は、南側のカルデラ縁にある将軍峰で、高さは2750メートルある。白頭山は、金剛山と同様に朝鮮の代表的な名山である。朝鮮や中国東北部の人々にとっては、一生のあいだに1度は登ってみたいという、特別の山であり、日本の富士山以上に象徴的な存在である。しかし、山容は全く対照的で、富士山が独立峰であるのに対し、白頭山は際立った独立峰がなく、裾野から山頂にむけて、なだらかな緩斜面が続くため、麓からはあまり目立たない。 現在は、自動車で山頂付近まで簡単に行くことができるため、多くの観光客で賑わっている。日本からは遠く、日本人でここまで行く人はほとんどいないと聞く。 1000年前の大噴火 天池は北緯42度