自閉症の未成年者には、血液の脂質濃度が通常に比べ約2割低い「低脂血症」が多いことが、浜松医科大の松崎秀夫特任准教授(分子精神医学)の研究で分かった。 4日に埼玉県和光市で開かれる研究会で発表する。自閉症の原因解明につながる成果で、これまでなかった自閉症の数値的診断基準としても注目される。 自閉症児174人と、通常の180人を比べたところ、自閉症児の方が、血液の中性脂肪とコレステロール濃度が低いことが分かった。 この結果を基に、血中の中性脂肪濃度を自閉症の判定基準として使った場合、8歳以下では自閉症児の約8割が該当し、検査として有効なことが分かった。社会的適応のためには、自閉症を早期に発見し支援することが大事だが、これまでは専門医の診察に頼るしかなく、数値データを基にした診断基準はなかった。