野菜高騰の陰で農家が泣いている。テレビでは、代替となる冷凍食品の特集が組まれたり、学校給食の中止が取り沙汰されたりするなど、野菜高騰が何かとやり玉に挙がる。だが一転して安値の時には、産地は丹精した野菜の廃棄を余儀なくされる実態もある。農家からは「なぜ品薄高が起きたのか、その背景にある苦労を知ってほしい」と悲痛の声が上がる。 野菜高騰の影響は学校給食にも及んだ。三重県鈴鹿市の教育委員会は予算確保が難しくなったとして12月と来年1月の2日間、市内の小学校30校と幼稚園13園の給食を中止すると発表。後日、末松則子市長の判断で撤回されたが、その陰で農家は複雑な思いを抱く。 JA鈴鹿白ネギ部会の部会長、川口恵美子さん(64)だ。「野菜が高いという一面だけが取り沙汰されている。消費者や子どもたちに食べるということ、その背景にある農家の思い、天候不順と向き合う苦労を伝えてほしかった」と明かす。 JA