関節痛の中でも腰痛やヒザ痛と並んで重症になり易く、日常生活のさまざまな動 作を制限してしまうのが、上半身と下半身のつなぎ目である股関節の痛みです。ひ とくちに股関節痛といっても原因によっていくつかの種類があり、中でも日本人に最 も多いのは、変形性股関節症と呼ばれるタイプです。この変形性股関節症は女性 に多発する傾向があります。ある調査によると患者さんの男女比は1対10と報告 されており、特に女性の変形性股関節症は30代から増え始め40代でピークを迎 えます。 股関節痛が起こる仕組みですが、正常な股関節は、太ももの骨(大腿骨)の先端 (大腿骨頭)が、クッション役の軟骨を間に挟んで骨盤の寛骨臼というくぼみに埋め 込まれています。私たちが立ったり座ったりといった動作をスムーズに行えるの は、大腿骨頭と寛骨臼がうまくかみ合っているからです。ところが、何らかの理由で 股関節の機能が低下すると、軟骨が