香港の民主化運動の歩みを描く日本・香港合作映画「ＢｌｕｅＩｓｌａｎｄ　憂鬱之島」の制作陣が１３日、オンラインで記者会見を開き、中国共産党による自由の弾圧や新型コロナの影響で制作が困難に直面している現状を訴えた。 同映画は１９６０年代以降の香港の民主化運動を、実在の３人のドキュメンタリーとドラマを交えて描く。「乱世備忘　僕らの雨傘運動」の陳梓桓（チャン・ジーウン）氏が監督で、任硯聰（ピーター・ヤム）氏や映画配給会社太秦の小林三四郎社長らが共同で製作。 香港からオンライン参加の任氏は「当時自由を求めた若者は庶民で、現在も同じ。現在との比較を通して、香港の人々がささいなことで刑務所にほうり込まれるのではないかという部分も丁寧に描きたい」と言及。直接の言及は慎重に避けながらも、昨年７月の国家安全維持法施行をはじめ自由が急速に制限されている現状を訴えた。 小林社長は「ささいな言動で自由を封じられる状

台湾の対中国政策を主管する大陸委員会の報道官は１２日、中国の決定に基づき香港立法会（議会）の民主派４人の議員資格が剥奪されたことについて「共産党は香港人の権益を好き勝手に侵害し、目的のために手段を選ばない」と指摘、「羊の皮を脱ぎ去ったオオカミだ」と厳しく批判した。 報道官は「香港の言論の自由をさらに絞め殺すものだ」とし「『一国二制度』が民意を一切尊重しないことを裏付けた」と強調した。 蔡英文政権は、中国の習近平指導部が「一国二制度」による台湾統一圧力を強めていることに対して繰り返し反発を表明している。大陸委員会は台湾住民を対象とした今月の世論調査の結果を発表し「一国二制度」に反対との回答は８６・７％だったとした。

中国政府の香港マカオ事務弁公室は１１日、「愛国者が香港を治める原則」があると主張し、「香港独立」を宣伝する者などが香港の立法機関に加わることを許してはならないとする声明を発表した。 全国人民代表大会（全人代）常務委員会会議の決定を受け、香港政府が民主派議員の資格剥奪を宣言したことに関する声明。 声明は中国の最高実力者だった故●（＝登におおざと）小平氏が、香港人が香港を治める際は「愛国者が主体」でなければならないと述べていたと指摘。香港の行政、立法、司法機関は「中華人民共和国香港特別行政区に誠心誠意、忠誠を尽くす」人で構成されなければならないと強調した。 中国政府の香港出先機関「香港連絡弁公室」も声明を出し「愛国」は香港統治機構の人員が「必ず守らなければならない政治倫理」だと指摘。全人代常務委の決定の法的効力と権威は「挑戦を許さない」と断言し、香港の司法の審査が及ぶ余地はないことを示唆した。

卓球女子の東京五輪代表で世界ランキング９位の石川佳純（全農）が２０日、中国で１１月に行われるＷ杯などへの出発を前にオンラインで取材に応じた。８カ月ぶりの国際大会。 現地到着から１週間は宿舎の部屋からも出られないなど制約が多いが、「楽しみな気持ちは今まで以上」。３月以降は練習に励み「体脂肪は３％くらい減りました。成果を試合でぶつけたい」と心待ちにした。

サンケイスポーツが撮影してきたスターの蔵出しショットを紹介する「あの日の君へ」。今回は元祖香港の歌姫として１７歳で来日し、愛くるしい笑顔で大人気となったアグネス・チャン（６５）。「ひなげしの花」「草原の輝き」などをヒットさせたアイドルが、大学卒業後は子連れ出勤で一石を投じ、働く女性の最先端となった。芸能活動と並行してユニセフ（国連児童基金）の親善大使を務めるなど、現在も児童福祉活動に尽力している。 香港のテレビ番組にゲスト出演した作曲家、平尾昌晃さんの目に留まり、１９７２年に「ひなげしの花」でデビューしたアグネス。ちょっと舌っ足らずな日本語で一生懸命に歌う澄んだ歌声とミニスカート、長い黒髪で若い男性の心をつかみ、一躍人気アイドルに躍り出た。 プロ野球の大スター、長嶋茂雄選手（現巨人終身名誉監督、８４）が引退した７４年１１月、巨人のファン感謝デーにゲスト出演。照れながら長嶋選手と手をつないだ

香港の民主活動家、周庭氏が２日、香港国家安全維持法（国安法）施行直前から休止していたツイッターへの投稿を約２カ月ぶりに再開した。投稿休止後の８月１０日に同法違反で逮捕されたことから「結局逮捕され、いろいろ考えた上で、ツイッターを再開することを決めました」と日本語で書き込んだ。 周氏は８月１１日に保釈され、フェイスブックやユーチューブなどでは発信を続けてきた。再開したツイッターへの投稿では「これから起訴されるかどうかはわからないけど、皆さんが引き続き香港のことに注目してくださればありがたいです」と表明した。 周氏は６月３０日の国安法施行直前にツイッターで、所属していた政治団体「香港衆志（デモシスト）」からの脱退を表明したのを最後に投稿を休止していた。（共同）

【ニューヨーク４日（日本時間５日）＝竹濱江利子通信員】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米プロフットボールＮＦＬ、ペイトリオッツのクラフトオーナーが、中国から購入したマスクを被害の大きいニューヨークに約３０万枚寄付した。同オーナーは「ジェッツとジャイアンツのファンのために、少しでも役に立つことができたら」とコメント。ライバルチームが手を取り合って危機を乗り越える。 ライバルチームのファンに手を差し伸べた。マスク不足の緊急事態に、ペイトリオッツが動いた。普段は選手の移動に使われるチーム専用機を中国・深センに飛ばし、高機能マスク「Ｎ９５」を１７０万枚購入。米国に緊急輸送し、被害の大きいニューヨークに約３０万枚寄付したと、ニューヨークポスト紙など複数の米メディアが伝えた。

新型コロナウイルスに感染したことが分かった志村。重症との情報もあり、７０歳の高齢だけに容体が心配される＝２０１４年１２月撮影 タレント、志村けん（７０）が新型コロナウイルス検査で陽性と診断され、東京都内の病院に入院していることが２４日、分かった。一時重症となったが、回復に向かっているとの情報もある。所属事務所はこの日、サンケイスポーツの取材に「２５日の昼頃、何らかの形で発表します」として詳細は明かさなかった。世代を超えて親しまれる喜劇王の容体が心配される。 世界中で感染拡大する人類共通の見えない敵。誰が陽性になっても不思議ではない状況の中、芸能界の大御所がコロナ禍に見舞われた。 複数の関係者によると、志村は数日前から発熱など体調悪化を訴えたため都内の病院に入院。どの時点で保健所の検査を受けたかは定かではないが、２３日の時点で新型コロナウイルスの陽性と判明した。その前後に一時、肺炎などで重症

大阪府の吉村洋文知事（４４）が２１日放送の日本テレビ系「ウェークアップ！ぷらす」（土曜前８・０）に生出演。厚労省から「非公開」として提示された文書を公開した。 番組では感染拡大が進む新型コロナウイルスを特集し、２０日からの３連休について「大阪－兵庫間の不要不急の往来を控えてほしい」と府民に呼び掛けた大阪府の吉村知事が出演。 吉村知事は「基本的な考え方として経済活動を元に戻していくべきだという考え方。リスクはできるだけ抑えながら。経済が死んだら大変なことになる。それで命を落とす人もいます」と前置きし、「国から専門家の意見ということで、厚労省が大阪府に説明に来られました。わざわざ１８日に」と話し出した。 その日、厚労省から「これは非公開の文書です」と言われたことを明かすと、ＭＣを務める辛坊治郎氏（６３）が「それがこれですね」とその文書を拡大したフリップを公開。辛坊氏が「非公開の文章を持ってきて

新型コロナウイルスの子供への感染のしやすさは、全年代の平均と変わらないとする研究成果を米ジョンズ・ホプキンズ大と中国深セン疾病予防コントロールセンター（広東省）などのチームが７日までにまとめた。感染率は全体が８％程度に対し、９歳以下７．４％、１０代は７．１％だった。 これまでの中国内の研究では子供の患者が少ないとのデータもあるが、同大のジャスティン・レスラー准教授は「感染のしやすさは子供も大人も同じ。子供は重症化しにくいだけなのかもしれない」としている。

いまだ実態に不明な部分がある新型コロナウイルスについて、世界保健機関（ＷＨＯ）と中国の合同専門家チームは、感染源がコウモリだったとほぼ認定する調査報告書を、１日までに公表した。これまでも中国の専門家らがコウモリ説の可能性を指摘していたが、真犯人とみていい状態になった。さらに報告書は、人から人への感染は主に家庭内で起きていたと指摘するなど、感染者の特徴や症状などを詳しく分析している。 中国では幸運のしるしで縁起がいい動物とされるコウモリ。しかし病魔の発生源だったことが、ほぼ確かになった。 調査報告書をまとめた専門家チームは、２月１６～２４日に湖北省武漢市や広東省、北京市などを視察。２月２０日までに中国で感染が確認された約５万６０００人を追跡調査した。 報告書の「人獣共通感染症の発生源」と題された部分では、「コウモリはＣＯＶＩＤ－１９（新型コロナウイルス）の供給源とみられる」と指摘。根拠として

横浜・大黒ふ頭に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。上は待機する救急車両など＝１２日午前９時２３分 感染拡大が続く新型コロナウイルスによる肺炎（ＣＯＶＩＤ１９）の医療費の公費負担を巡り、国内外で賛否の声が上がっている。日本政府は新型コロナウイルスによる感染症を「指定感染症」として水際対策に全力を挙げるが、外国人感染者の医療費も公費で負担することについて、中国版ＳＮＳで反響を呼ぶ一方、国内では疑問視する声もある。厚生労働省は１２日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新たに３９人の感染を確認したと発表。検疫官１人も感染が確認された。

国土交通省は１０日、台湾発のクルーズ船「スーパースター・アクエリアス」に那覇港入港を見送るよう７日付で要請していたと明らかにした。日本人は乗っていない。赤羽一嘉国交相は、入港自粛を要請していた香港発のクルーズ船「ウエステルダム」に乗船している日本人５人について、新型肺炎の症状は出ていないと述べた。同船では発症者が確認された。 同省は、東南アジアを巡っている日本船籍のクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」が台湾寄港を中止し、１３日に長崎港に入る予定と発表。日本人の乗客２３９人、乗員５６人が乗船し、発症が疑われる人はいない。

香港の衛生当局は、５日に帰港したクルーズ船の乗組員約３０人が体調不良を訴えたとして、乗客・乗組員約３６００人について検疫が終わるまで下船を許可しない措置を取った。香港の日本総領事館によると、日本人２人以上が含まれている。１月に乗船した乗客３人が肺炎を引き起こす新型コロナウイルスに感染していたことも判明したため。 香港メディアによると、クルーズ船は１月１９日から２４日の日程で、中国広東省広州市、香港、ベトナムなどを巡った。２４日に乗客約４０００人が広州市で下船し、このうち中国人３人の感染が２月３日に判明した。 クルーズ船は新たな乗客を乗せ、２月２日に香港を出発していた。乗客約１８００人の約９割は香港人。乗組員約１８００人のうち約３０人が体調不良を訴えた。このうち３人は発熱して病院で検査を受けている。乗客３人が今回の乗組員と接触したかどうかは不明。（共同）

香港政府は４日、記者会見で、新型コロナウイルス感染による肺炎にかかっていた香港の男性（３９）が同日死亡したと発表した。中国本土以外で死者が出たのは、フィリピンに次いで２人目。 一方、香港の公立病院の看護師や医師らによる労働組合は３日に続き４日、感染拡大を防ぐため中国本土との境界の完全封鎖を求めてストライキを行い、約４０００人が参加した。香港政府は３日、中国本土との往来制限強化を発表したが、組合幹部は「まだ１日当たり１万人以上が入境できる」と反発している。 香港メディアによると、死亡した男性から感染した母親（７２）が香港で初の「人から人」への感染例となった。 記者会見で衛生当局者は、香港での感染者がさらに２人増え、１７人になったと発表した。うち２人が重体。当局者は「大規模な感染拡大が起きる可能性がある」と指摘、「今後２週間の対策が拡大防止の鍵となる」と表明した。

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の発症者増加を受け、安倍晋三首相は２６日、武漢市に滞在する日本人の希望者を全員、チャーター機などで帰国させると明らかにした。 東京・銀座では、ドラッグストアで大量にマスクを購入する中国人客の姿が目立った。ストアの店長は「あればあるだけ買っていく。売り上げは例年の同時期の５、６倍です」と話した。ココカラファイン銀座４丁目店では長い列ができた。上海から来日し、両手にレジ袋を提げていた中年女性は「友人に頼まれ１５箱以上買った」。広州市から来た女性（２８）も１箱６５枚入りのマスクを１０箱以上購入。「中国では生産が追い付いていない。親戚に配る」と話した。

香港の大規模民主化デモ「雨傘運動」を率いた周庭さん（２３）が北大公共政策大学院のフェロー（研究員）に就任していたことが１７日、分かった。周さんが１６日、ツイッターで明らかにした。 同大学院によると、本年度より教育活動に携わる無給のフェロー制度を導入しており、周さんは昨年１０月１日に大学院の要請を受けグローカルフェローに就任。大学院の研究・教育事業に協力する。任期は今年３月末まで。 周さんは昨年８月、無許可集会への参加を扇動するなどした罪で起訴された。周さんは「とても光栄」としながら、「出境を禁止されている私がフェローの任期が終わる前に北大に行けるかどうかはわかりません。皮肉としか感じられません」とツイートしている。 同大学院の遠藤乾院長は「今年４月からも再任をお願いしたい」と任期延長を要請する方針で「自由を守るための運動を応援したい。出国できるようになったら、北大に来て学生と直接話をしてい

昨年１２月、休暇を利用して香港国際競走を現地で観戦した。ＧＩレースが１日に４つ行われるアジア最大の競馬イベント。ただ今の香港はデモの影響が心配…。でも、行って大正解だった。 空港からタクシーで競馬場へ向かうと、早速、運転手さんが競馬新聞を広げて何か話かけてくる。言葉は分からないが、とりあえずこの日の盛り上がりを実感するとともに「結構平和じゃん」とひと安心。競馬場に着いても同じで、ピリピリしたムードは一切ない。 しかも結果は日本の馬が４戦３勝の快挙を達成。メインレースの「香港カップ」で松岡正海（まさみ）騎手騎乗のウインブライトが優勝すると、日本人ファンと現地のファンが入り乱れて『マサミコール』の大合唱も巻き起こった。それまでに凱旋門賞で日本馬の挑戦を４度、現地で観戦してきたが全敗。実際に海外で日本馬の優勝を目の当たりにしたのは初めてで、なるほど不思議な感覚だった。 それにしても香港。あくまで