【パリ=清水俊郎】経営難に陥っているフランスの日刊紙ルモンドが、身売りする見通しとなった。第二次大戦時に、フランスの新聞がナチス・ドイツ協力政権寄りになった反省から、約六十年間にわたり、同紙の記者らでつくる記者会が筆頭株主として経営方針を決めてきたが、外部資本に過半数の株と経営権を委ねる大幅な増資を、十四日の経営会議で決定する方針だ。 記者出身のフォトリノ社長は、四日付紙面で「読者の皆さんへ」と題して増資の方針を表明。同紙にとって「歴史的な転換点」になるが、新たな経営者には、編集への不介入を条件に掲げると説明した。