Home > Reviews > Book Reviews > ファンクはつらいよ──ジョージ・クリントン自伝- ジョージ・クリントン 著/押野素子 訳/ 丸屋九兵衛 監修 宇宙は場所であると同時にコンセプトであり、ジミ・ヘンドリックスのように常識を遙かに突き抜けていることを意味する隠喩だ。 ──本書より ついに読めるのか。正直な話、ぼくにとって、これほど待ち望んだ自伝もないと言える。ぼくが『ブラック・マシン・ミュージック』を書くうえで資料集めにもっとも苦労したのが、サン・ラーとPファンクだった。大きな影響力があり、哲学的で、未来的で、そして最高にぶっ飛んだ音楽はそうそうあるわけではないし、また当時は(日本ではあまり紹介されていないアンダーグラウンド・ミュージックを追いかけていたため)英語のメディアばかり読んでいたぼくは、なかば呪いのようにサン・ラーとPファンクという名詞を目にしていたのだ