宍道湖を望む松江市の、閑静な住宅街に立つ錦織邸――。実家の応接間に置かれたグランドピアノの上には、数々の記念品と並び、1枚の写真が額に入れて飾られていた。 錦織圭と、ロジャー・フェデラー。 今から約5年前に撮られたその写真の中で、世界のトップを夢見てフロリダに渡った少年は、時の世界ナンバー1の横で、少し強張った笑顔を見せていた。憧れの選手と初めて練習をした際に、記念に撮った1枚である。「そりゃーもちろん、フェデラーですよ!」 かつて錦織に「最も対戦したい選手は誰か?」とたずねたところ、即座にそのような答えが返ってきた。当時の錦織は、18歳。衝撃的なツアー初優勝をあげ、強豪ジェームズ・ブレーク(アメリカ/当時12位)や、元世界ランキング1位のアンディ・ロディック(アメリカ/当時6位)らトップ選手たちと、ラケットを交え始めたころのことだ。 多くの夢を実現した18歳が過ぎ、迎えた19歳はケガに泣
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