素材大手が、規制が進む有機フッ素化合物(PFAS)への対応を強化している。米国で飲料水向けのPFAS規制強化が決まる中、クラレはPFASの除去に寄与する活性炭事業を拡大。東レは環境規制に応じ、PFASを使用しない先端半導体向けモールド離型フィルムを発売した。各社はPFAS問題に対処しながら、さらなる製品の技術革新と品質向上を目指している。(岡紗由美) 飲料水 高品質の水処理用活性炭 米国では4月、環境保護庁(EPA)がPFASに関する飲料水規制を最終決定した。飲料水中のペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やペルフルオロオクタン酸(PFOA)など6種類のPFASについて、最大汚染物質レベル(MCL)と呼ばれる法的強制力のあるレベルを設定。飲料水事業者は2027年までにモニタリングを実施し、基準値を超えた場合は29年までに対策の実施が求められることとなった。PFASの処理に利用可能な技術