政府の統計からも支援策からも漏れていた「大人のひきこもり」。そこから立ち直った当事者たちが集い、語り合う場がある。生きづらさを抱える人々を見つめてきた作家・萱野 葵氏が報告する。 【写真】この元気キャラのタレントもいじめで不登校になった過去が… * * * 本誌4月23日号に、私の知人二人のエピソードをもとに、「大人のひきこもり」の話を書いた。 その際、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)など、ひきこもりに関する著書を数多く出している池上正樹さんに話を聞いた。そして、ひきこもり当事者の会を紹介していただいた。「庵(いおり)-IORI-」という会である。庵は偶数月の第1日曜日に開催されている。 私は2月4日に東京都内で行われた集いに参加させてもらった。ここには当事者や家族だけでなく、ひきこもりに関心のある人も来ていた。 その日の会場は、どこにでもある公民館の会議室だった。机を移動し、い