鉄スクラップの出口なし 車解体業者、製鉄所停止で苦境 自動車解体工場内に山積みされた鉄スクラップ=岩沼市のイマイ自動車 東日本大震災の影響で、宮城県内の自動車解体業者が苦境に陥っている。鋼材原料の鉄スクラップを引き取る大手鉄鋼会社の県内工場が、大津波被害で稼働停止しているためだ。さらに今後、震災で発生した大量の廃自動車が市場に流れ込めば、価格が暴落する可能性もある。業界は「廃業する業者も出てくるのではないか」と危機感を募らせている。 <4工場に津波> 岩沼市の解体業「イマイ自動車」工場内には現在、500キログラムの鉄スクラップが約150個、山積みされている。 同社は震災前、JFE条鋼(東京)の仙台製造所に連日約50個を出荷していたが、仙台港近くにある同製造所は大津波で2階まで浸水。機器が使用不能になり、再開のめどは立っていない。今井鉄也会長(65)は「従業員50人を抱えており、このまま