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2007年11月29日のブックマーク (6件)

  • 『論理学をつくる』戸田山和久-第3章読書メモ1 - 死に舞

    ついに第3章の意味論に入る。ここからは長いのでメモも分割して書いていこう。タイトルは「人工言語に意味を与える―命題論理のセマンティクス」。人によってはこっちの内容の方が2章の後半よりも簡単。真理表などは高校数学で出てくるし、意味論は哲学でも論じられるし、直感的に理解しやすい。統語論の方がなんだか記号ばっかりでとっつきにくい。 結合子の意味、真理表 今までのところ、日語の中でも典型的に論理的な文章を分析することで、人工言語Lを設定してきた。そして日語のの内容のある文、例えば「彼はmixiをやっているか、twitterをやっているかのどちらかだ」、「彼はmixiをやっている」、「よって彼はtwitterをやっていない」とかいう論証を 前提 P∨Q P 結論 Q というような感じで論理式に置き換えてきた(何を原子式にしたかは推測してください)。この程度の日語なら、だれでもすぐに論証が妥当で

    『論理学をつくる』戸田山和久-第3章読書メモ1 - 死に舞
  • 『論理学をつくる』戸田山和久-第2章つづき読書メモ - 死に舞

    2章は長くなったので二回に分けて、後半を書くとしよう。前半は日語の命題を論理式に書き直すことを勉強したが、後半からはいよいよ人工言語を0から作っていく試みになる。 この教科書で作るのは「人工言語L」と呼ぶことなる。Lはもちろんロジックのエルですね。人工言語を作るためには、語彙と文法(つまり意味論と統語論ってことでいいのかな?)を設定する必要がある。語彙と文法は自然言語にもあるからこれは当然だろう。しかし、何であらためて定義するのか?日語を前回やったように論理式に翻訳するだけじゃだめなのか? 人工言語の必要性 これは確かにまっとうな疑問であり、日常的な会話の論理について考える人にとってはそれで十分だ。論理が通っているとか、論理が分かっているというレベルではたしかに、日語を論理式に変換して論証の妥当性を求めるだけでも十分だ。私もこの程度には論理を分かっていたが、人工言語なんて厄介なものを

    『論理学をつくる』戸田山和久-第2章つづき読書メモ - 死に舞
  • 『論理学をつくる』戸田山和久-第2章読書メモ - 死に舞

    ここらへんから一気に抽象度が高まる。そして一般人にとって何の役に立つのかわからなくなる。しかしとりあえずそのような問いは置いといて、論理学の思考に身体的に慣れる必要がある。あと高校レベルの数学は必修だよ。 2.1自然言語から人工言語へ 現代の論理学は記号論理学symbolic logicと呼ばれるほどで、普通の言葉から遠ざかって独特な記号を用いる。言語には自然言語natural languageと人工言語artificial languageがあるわけだが、論理学をやるには後者のほうが適する。ちなみにコンピュータのプログラミング言語も人工言語である。それこそ論理学での成果はプログラミング言語の開発などにかなり利用されてきた。そういう意味では論理学って役に立つ学問であることは理解できる。でも実際にいかに訳に立っているかを理解するのは難しい。 話はずれた。ともかく論理学は人工言語を用いたほうが

    『論理学をつくる』戸田山和久-第2章読書メモ - 死に舞
  • 『論理学をつくる』戸田山和久-第一章読書メモ - 死に舞

    論理学をつくる 戸田山 和久 タイトルはWhat is THIS Thing called Logic? 1.1論理とは何か?論理学は何をするのか 最初だから「論理学とは何なのか?」というお話。ただし戸田山によるとこのような問いはセンスが無い。「論理学は論理についての学問だ」っていう万能かつ意味の無い答えがすぐにできるから。ではどうするか? それは、論理とは何かではなく、典型的に論理的な現象から始めることである。まあ要するに日常的に使う論理とか論理的という言葉の使用とりあえず分析しようではないかとことだが、例文とかは割愛。 ともかく論理というのはどうやら論証agumentとか推論inferenceに関することであり、それは前提premiseから結論conclusionを導くことのようだ。以後とりあえず論証=推論として扱う。 論証には正しい論証と正しくない論証があるようだ。例えば矛盾inco

  • Charles Boilès‘Universals of Musical Behaviour: A Taxonomic Approach’the world of music 26, 1984(2):50-65. - 死に舞

    谷口さんご推薦のこの論文を読んだ。著者はシャルル・ボアレス(?)かな。民族音楽学者だと思われる。 内容は人類に普遍的な音楽的行動を分類することにある。Boilèsは過去の民族音楽の研究から、「いかなる絶対的な音楽の普遍概念も存在しない」としながらも、「すべての人々があるタイプの音楽的行動をすること」は普遍的であると認める。そこから彼は「音楽」そのものには唯名論的立場をとりながら、「音楽musical」は一般的な言葉として使用でき、「音楽的であるもの」の普遍性について議論する。 Boilèsは「音楽的行動」における「音楽的」という概念の理解を、その行動の意図のレベルで行う。つまり、音楽的 であるという意図を持って行った行動が音楽的行動である。それでは「音楽的な意図」とは何か。それは「独特な種類の持続や持続の質を持っているものとして、諸感官を通して知覚される、時空間でのパターンを生産する構成

    Charles Boilès‘Universals of Musical Behaviour: A Taxonomic Approach’the world of music 26, 1984(2):50-65. - 死に舞
  • ダニエル・デネット『自由は進化する』 - logical cypher scape2

    非常に面白かった。 基的な方向性としては、僕はデネットとそれほど違わないので「マジかよ」みたいな衝撃というか新しい発見はないけれど、勉強になった部分はかなりあった。 何か長くなったので、目次。 内容と関係ない感想 前提 このは哲学のか科学のか 進化論について 内容 決定論と因果律は異なる(両立主義) 視点位置の変更ないし志向システムとして捉えること 延長のない実体を想定しないこと ゲーム理論と感情 スキナー型生物、ポパー型生物、グレゴリー型生物とミーム 自己認識 政治とか社会設計とか で、結局自由とは何か、山形浩生が一言で答える 哲学者のはまりがちな罠 内容と関係ない感想 勉強になった部分は、後で書くので、最初に内容とは関係のない感想を。 まず文体。このことに関しては、瀬名秀明に同意 翻訳は山形浩生。この訳者は(小説だとふつうなのに)なぜかノンフィクションだとタメ口で訳すクセがあり

    ダニエル・デネット『自由は進化する』 - logical cypher scape2
    marcello
    marcello 2007/11/29
    「確かに彼らとポストモダン系思想は、そのような結論に到った経緯はまるで異なる。」むしろ結論の差よりも経緯の差の方が問題では?