久しぶりに新書を買って読んだ気がする。 06年の本で、既にある程度話題の本になっていたっぽいが、なかなかいいタイミングで読むことができたなあと思った。 著者は、進化生物学を専門にしている*1ので、この本はまずは進化論の本といえる。 だが、いわゆる進化論の話が書いてあるのではなくて、進化論によってもたらされた「考え方」について書いてある。それが、タイトルにもなっている「系統樹思考」である。 そしてこの本の面白いところ(であり、かつこの本の構成を複雑にしているところ)は、「系統樹思考」そのものについてと、それによってできることを両方とも書こうとしているところだ 一挙両得となっているのか、それとも二兎を追う者は一兎をも得ずとなっているのかは、評価が分かれるところかもしれない。 著者は、系統樹思考は生物学以外の分野にも広く行き渡っている(少なくともそれが可能である)ということを論ずる。 それゆえ、