以前、プライマリーバランスについて書きましたが、今回は財政均衡の無意味さを示す理論について紹介したいと思います。 現代貨幣理論とは L・ランダル・レイにより、現代貨幣理論という理論が導かれています。 これは新古典派経済学とは別のケインズ主義を基にしたポスト・ケインズ派の理論で、新古典派経済学のように貨幣のことを物々交換の対象として考えるのではなく、貨幣とは表券であるという考え方を基に作られています。 つまり、貨幣とは債務債権を現したものでしかないという考え方で考えられた理論です。 金属主義と表券主義 前にも示しましたが、新古典派経済学は金本位制のような、貨幣に対する金の裏づけがある場合の考え方です。つまり貨幣自体に価値があり、商品であるという考え方です。これを金属主義といいます。 それに対して、表券主義である国定信用貨幣は、国が租税を徴収する対象として貨幣を定めることにより、国の信用が貨幣