イタリア料理の時代考証から見て違和感の連続 なにかと話題を、ときには反発も呼んでいるNHK朝ドラの『ちむどんどん』。主人公の暢子が銀座で「アッラ・フォンターナ」の扉の前に立った瞬間から、イタリア料理の時代考証に違和感を持ち続けていたが、女主人にペペロンチーノ対決を挑むという第7週のストーリーは、あっと驚く「まさかやー」だった。 超シンプルなレシピで対決するという話自体はおもしろいし、ペペロンチーノに施した二人の工夫は素晴らしかったが、この時代のどの雑誌や料理本でも「ペペロンチーノ」というスパゲッティのメニュー名を見たことはないし、いくつかの理由から設定に無理があると感じた。 暢子が東京にやって来たのは、沖縄返還の1972年。まず、その頃の銀座に戦後アメリカ経由で入ってきたスパゲッティやピザ中心の店はあっても、「アッラ・フォンターナ」のような本格的なイタリア料理の高級レストランがあったか疑問