●●小雪がちらつく埼玉スタジアムの記者席で、ふと、遠くラス・パルマスでプレーしている福田健二のことを思った。 ワールドカップ(W杯)アジア3次予選、日本は初戦のタイを4−1で破って上々の滑り出しを見せた。この3次予選は、おそらく国内組だけでも十分に勝ち抜けるだろう。だが、最終予選、そして本大会での厳しい戦いを考えたとき、どうしても必要となるのが、強烈なキャラクターとゴールへの嗅覚(きゅうかく)を兼ね備えた、「日本的でない日本人ストライカー」の存在ではないか。規格外の在外日本人ストライカー、高原直泰が「国内組」となった今、海外でコンスタントにゴールを量産しているのは、福田健二を置いてほかにはいない。 2004年に日本を飛び出して以来、グアラニ(パラグアイ)、パチューカ、イラプアト(いずれもメキシコ)、カステリョン、ヌマンシア、UDラス・パルマス(いずれもスペイン)でプレー。昨シーズンまで