参院選の街頭演説中に銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の国葬があす行われる。 世論調査では国葬に反対する割合が増え続け、直近では賛成を大幅に上回っている。 安倍氏は憲政史上最長の8年8カ月にわたり政権を担った。政権を奪還した2012年以降は大型国政選挙に6連勝し、首相が毎年交代していた不安定な政治に終止符を打ち、有権者の支持を集めた。 にもかかわらず国葬への支持は広がらない。実施を決めた岸田文雄首相は、この落差を深刻に受け止めるべきだ。 首相は国葬とする理由の一つに「さまざまな分野での歴史に残る業績」を挙げる。具体的に言及していないが、経済政策「アベノミクス」や集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法などが念頭にあるとみられる。 いずれも、それまでの政権が成し得なかった大胆な政策転換である。株価上昇などで低迷していた経済を動かし、有事に備えた態勢整備に踏み出したことは間違いない。 一方