1993年のアジア女子選手権で代表デビューした澤穂希。その後、北京五輪を含む3回の五輪出場、スウェーデンW杯から5回連続の女子W杯出場という偉大な記録を持つ 衝撃が走ったのは試合前日。 スタジアムでおこなわれた45分の公式練習のうち、報道陣に公開された冒頭15分の終了間際の出来事だった。 9対9で行った実戦形式で、試合の先発メンバーとおぼしきグループから永里優季が外れていた。代わりに安藤梢と2トップを組んだのは川澄奈穂美だったのだ。 ここまでの4戦で一度たりとも変更されなかった先発メンバー。ブンデスリーガでプレーし、女子チャンピオンズリーグで優勝も果たしたエースである永里が、ほぼ間違いなくこの試合で先発から外されるということが、見て取れた。 これは、指揮官・佐々木則夫からイレブンへの強烈なメッセージでもあった。 「日本代表の中でも群を抜いてすばらしくスタミナのある選手」(佐々木)である川澄