鋳物でブレイクスルーを起こした会津工場。 ガラパゴス的な進化を遂げて世界を席巻する 日本の製造業を根底から支えているのは、各種のメーカーに部品を納入する工場だ。知名度は低くても、卓越した技術で燦然と輝き、唯一無二の存在感を示している工場がある。そうしたものづくりの現場には、熱量の高いアントレプレナーがいる。福島県のプライドを一身に背負ったかのような名称の会津工場には、鈴木直記がいた。 福島の豪雪地帯で 世界でも唯一の鋳造を可能に 福島県の西南に位置し、面積の94%を森林が占める南会津郡只見町。日本でも屈指の豪雪地帯とされるこの場所に根を張り、薄肉軽量で高精度の鉄鋳物を開発・量産しているのが会津工場だ。設立は、1977年。もともとは、千葉で鋳物を手がける内外マリアブルの会津工場として75年に操業を開始し、77年の独立時に親会社の名前が取れて現在の社名になった。代表取締役社長の鈴木直記は、地元