筑摩書房さんから、伊藤昌亮氏の『デモのメディア論: 社会運動社会のゆくえ』をいただきました。ありがとうございます。というわけで、いつものようにご紹介と感想を少し。 2012年も残すところ数日となりましたが、今年の日本社会を象徴する出来事の一つとして、様々なイシューをめぐって行われたデモが挙げられるでしょう。特に夏場に行われていた「官邸前デモ」には多くの参加者が集まり、最終的に野田前総理大臣がデモの代表者と面会する、という珍しい状況も生まれました。珍しいという点では、いわゆる「サウンドデモ」やネットを活用した抗議活動など、従来型のデモとは異なる特徴が見られるようになってきています。 思い返してみれば、一年前の2011年には世界各地でデモの嵐が吹き荒れ(「アラブの春」や米国のオキュパイ運動など)、米タイム誌はパーソン・オブ・ザ・イヤーに「プロテスター(抗議する人)」を選んでいます。その波が日本