コモンズの悲劇〜共有地とオープンアクセスの問題 2007年11月20日 経済・ビジネス環境社会 コメント: トラックバック (1) (これまでの 小島寛之の「環境と経済と幸福の関係」は こちら) ここ3回、メカニズムデザインについてのいささか抽象的な話が続いたので、久々に環境の話に戻ることにしよう。 今回は、「コモンズ(共有地)」について解説する[*1]。 ガーネット・ハーディンが、後々著名になる論文「コモンズの悲劇」を『サイエンス』誌に発表したのは1968年のことであった[*2]。それは、19世紀にウイリアム・ロイドという経済学者の書いた無名の論文[*3]にもとづいている。 ハーディンの主張は、一言でいえば、「オープンアクセスな共有地(コモンズ)は、必然的に荒廃する」ということである。彼はこれを、中世のイギリスの牛飼いたちのコモンズを例に取り、次のような寓話で示している。 「牧草地をコモ
南米チリとペルーの国境付近の太平洋岸(2008年1月10日撮影)。(c)AFP/MAX FERNANDEZ 【8月16日 AFP】米国とスウェーデンの研究者は15日、海洋生命が生存できない「死の海域」が過去50年間にわたり増加を続けており、現在までに世界各地の沿岸部400の水域にまで拡大したと発表した。 米バージニア(Virginia)州ウィリアム・アンド・メアリー大学(College of William and Mary)のロバート・ディアス(Robert Diaz)氏とスウェーデンのイエーテボリ大学(Gothenburg University)のRutger Rosenberg氏が科学誌サイエンス(Science)に発表した。 死の海域では、水中の酸素が欠乏したことにより生態系が消滅する。このような海域は1960年代から10年ごとに倍増しているという。 現在ではバルト海(Baltic
拡大する「死の海域」:バクテリアによる浄化は可能か 2008年12月17日 環境 コメント: トラックバック (0) Brandon Keim 世界の沿岸海域における低酸素および富栄養海域マップ。黄丸は懸念のある海域、赤丸は確認された低酸素海域、緑丸は回復しつつある海域(クリックでマップを拡大) Image credit: 世界資源研究所(WRI) 海洋生物が生息できない「デッド・ゾーン」(死の海域)が拡大している。 農業廃棄物や生活排水が原因で富栄養化が起こり、藻類などが大発生してアオコや赤潮と呼ばれる現象が発生しているのだ。[アオコ(青粉)は、微細藻類が大発生し水面を覆い尽くすほどになった状態、およびその藻類を指す。赤潮はプランクトンの異常増殖により海や川、運河、湖沼等が変色する現象で、色は赤とは限らず、アオコもその一種。富栄養化のほか、自然の浄化槽の役目をはたしてきた干潟が減少して
「40年で天然海産物が無くなる」:深刻な魚の激減 2008年10月20日 環境 コメント: トラックバック (0) Brandon Keim 世界銀行と国連食糧農業機関の共同報告書によると、持続不可能な漁法が原因で、世界の漁業における経済損失は年間500億ドルにのぼり、この30年間で約2兆ドルが失われたという。 現在進行中の経済危機や森林破壊による損失と比べると、これは大した数字とは思えないかもしれない。なにしろ、ウォール街は数週間で1兆5000億ドルを失い、森林伐採による損失は毎年2〜5兆ドル(日本語版記事)にのぼるのだ。 だが、生産性の低下という点で検討すると、こうした漁業の損失は、将来の問題を警告する予兆となる。漁船の数は増え、設備も改良されているにもかかわらず、漁獲高は30年前と変わらない。 理由は、海魚の個体数が激減しているからだ。40年以内に天然の海産食物は世界からなくなると予
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