「金田一少年の事件簿」(案:天樹 征丸/作:金成 陽三郎/画:さとう ふみや)には、過去の推理小説からのトリック借用が多いのですが、中でも悪質なのが「異人館村殺人事件」で、「占星術殺人事件」(島田 荘司)の盗用と言える程です。 「占星術殺人事件」は島田さんのデビュー作で、江戸川 乱歩賞の候補にもなりました。 「金田一少年の推理ミス (2)」(世田谷トリック研究会)に、両作品について以下の記述があります。 だがいずれにせよ、先のストーリー借用の件は尋常ではない。 古典からならまだしも、現役バリバリの作品から、その肝心かなめのトリックの部分を使っているのだから、事前に島田氏から承諾をえていたとしか考えられないのだ。 ひょっとすると、マガジンの『金田一』担当の編集者が、以前は講談社の文芸(推理小説)のセクションにいて、島田氏の担当をやっていた、なんてことなら話はスムーズだろうが……。 樹林 伸さ