化石燃料が豊富に産出されることで知られる中東・北アフリカ諸国。しかしこれらの国々がこのところ注目しているのが、化石燃料に代わる代替エネルギーである。各国とも化石燃料は貴重な外貨獲得手段で経済成長の源泉であることから、できるかぎり温存し、将来化石燃料が枯渇する前に、代替エネルギーを育成しようという長期的な戦略を掲げているからだ。特に夏の気温が50℃にもなり、1年中太陽が照りつける気候風土から太陽エネルギーなどに着目、世界最大クラスのプロジェクトが一斉にスタートしている。 中東・北アフリカ諸国の中で太陽エネルギー戦略をいち早く推進しているのがUAE(アラブ首長国連邦)。2006年にムハンマド皇太子の主導で、「マスダール・イニシアチブ」と呼ばれる再生可能エネルギー中心の資源開発の方針が打ち出された。具体的には、 (1)再生可能エネルギーで100%まかなう「マスダール・シティ」の建設 (2)再生可