地方公務員の駆け込み退職が問題となっている。年度末に定年退職をひかえた人が、退職金が引き下げられる前に数か月前倒しで退職し、数十万~百万円程度を“上乗せ”受給する問題だ。 通常、自己都合で退職する場合は退職金が減額されるから、退職金が切り下げられることになっても自分からは手をあげないものだ。ただし、自治体によっては60歳到達後、年度末に定年退職するまでの間に自己都合で退職する分には減額されないという“穴”があった。退職金の切り下げ条例を作る際、そういう穴をセットでふさいでおかなかった自治体のミスといっていいだろう(東京都はきちんと対応している)。 多くの民間企業では、割増退職金を払って一生懸命中高年を辞めさせようとしているわけだから、公務員にだけ「金で動くな」と説教してもナンセンスだ。 ――さて、以上は現制度の中で対応することを考えた場合の模範解答である。実は上記のロジックには、深刻な矛盾