今の久保くんと同じ12歳でスカウトされてバルセロナにやってきたアンドレス・イニエスタは、今のマシアにいる全選手の憧れだが、そのイニエスタに「ユースからトップチームに行くための秘訣は?」と聞いたことがある。 イニエスタは、一瞬、考えてから答えた。「努力し続ける才能があること」と。 「才能だけでは、上のカテゴリーにはあがれない。そのプラスアルファがないと。トップに行くには、多くのことを乗り越えていく必要があるから」 それは周囲の雑音だったり、プレッシャーだったり、自分との戦いだったりするのだろう。イニエスタの言葉には、重みがあった。イニエスタ自身も、故郷から遠く離れ、宿舎で枕を濡らした日々があったのだから。 今、いちばん怖いのは、日本での「久保くんブーム」が本人に悪影響を及ぼすケースだ。バルセロナで見ている限り、地に足をつけて歩いているが、彼はまだ12歳なのだ。 一昨年、日本のテレビ局がバルサ